Pharma

薬物療法

当クリニックの薬物療法の特徴

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    西洋薬と東洋薬の
    使い分け

    実は当クリニックを開業するまでの15年間のペインクリニック勤務において漢方薬はほとんど使用しておらず、また効果が無いと思い込んでいました。開業してから漢方薬の効果に気づき現在では半数以上の方に処方している状態です。
    漢方は古来より経験処方であるため極端な話『このような症状にはこの処方が合う!』という使い方をします。つまり患者様の多様な症状に当てはまる生薬の組み合わせが選択できるのです。
    当院では西洋薬と組み合わせて処方するケースが多いです。
  2. 02

    急性期と慢性期の
    使い分け

    「急性期はダイナミックに、慢性期・安定期は必要最小限に」を大切にしています。
    急性期の辛い時期はしっかり薬の効果を出せるように投与し。慢性期や安定期に入ると、多剤処方をできるだけ避け満足度が維持できる程度にコントロールしていきます。

薬の種類

当クリニックでよく処方する薬のごく一部のご説明です。

ロキソプロフェン

急性期疼痛に対して処方することが多い薬です。炎症が強い場合に効果を発揮します。手軽に手に入る為、利便性の高い薬ですが、胃腸障害や腎障害などの重大な合併症もあるため、適切な使用と中断が必要になります。

アセトアミノフェン

侵害受容性疼痛に対して処方することが多い薬です。認知度も高く副作用も少なく良い薬ですが、適切な量を内服しないと鎮痛効果を発揮しません。また肝障害が副作用としてあるため経過観察が必要です。

デュロキセチン

本来は抗うつ剤ですが慢性疼痛・変形性関節症に対して処方する薬です。神経痛等には有効であり、よく使用されます。
また人間の体が本来持っている、痛みを抑制する機能(下降性抑制系)を活性化する事で痛みを和らげる効果があります。
副作用として、吐き気などの消化器症状・のどの渇き・めまい・ふらつきなどがあり、また急に中止すると離脱症状などもあるため、注意が必要です。

弱オピオイド製剤

麻薬系鎮痛薬です。幅広い病気に強い鎮痛効果を発揮しますが、吐き気や便秘などの副作用も存在します。また片頭痛には不適切であったりと決して万能というわけではありません。

消炎鎮痛薬

ロキソニン(ロキソプロフェン)をはじめとする一般的な「痛み止め」です。多くの消炎鎮痛薬は胃腸を悪くすることが多いので、当院では比較的消化管に優しいと言われている薬を主に使用します。

ミロガバリン・プレガバリン

神経障害性疼痛に対して処方する薬です。神経障害性疼痛ガイドラインにおいても一番初めに登場します。神経痛に有効な薬ですが、めまい・眠気・ふらつき・むくみ体重増加が副作用として出現する確率が高いため、高齢者には繊細なコントロールが必要です。
怪我(組織の損傷)があれば、目に見えないような細い神経も必ず損傷しています。通常は消炎鎮痛薬などで徐々に痛みが改善しますが、まれに比較的早期から異常な痛みや不快な冷感を伴う痛みに変化していく場合があります。また帯状疱疹やヘルニアによる神経根症の場合はかなり太い神経自体へのダメージから痛みがでています。 この薬は神経の異常興奮を抑制することで痛みが伝わるのを正常化してくれる薬になります。副作用として眠気とふらつきがありますから、初めは少ない量で開始させて頂き、様子を見ながら増量させて頂く事になります。

血管拡張薬

末梢血管を広げる薬です。脊柱管狭窄症などの物理的な圧迫がある状態や、交感神経が過剰に緊張して血流が悪くなって痛みが出ているような状態に使います。

抗てんかん薬

本来はてんかんの治療薬ですが、てんかん自体は脳神経細胞の異常興奮から発現する疾患であり、末梢神経においてもその神経の異常興奮を抑える点から有効性が認められ、本来は抗てんかん薬であった末梢神経障害性疼痛治療薬もこの仲間です。
この中でテグレトール(カルバマゼピン)という薬は三叉神経痛に対する特効薬として昔から用いられております。